自惚れ
「俺、35までに子供欲しいんだよね」
この言葉をどう理解すれば良かったのかな?
クラブで一晩中踊るのが好きだった。「一夜のお相手」を探す男女の駆け引きトークはとても楽しい。
丁重に諦めて貰うように愉しく会話を運んでいく。
そんな会話に慣れていたからか、男の言葉を軽く考えてしまうようになったのか?
「だったら早く相手、探さないとねぇ」
「…」
いつもつぎの言葉はなかった。
「相手は君だよ」
そう言ったくれたらすぐに
「yes」
と返事してたのに。
「カレカノ」ではない。
気の知れた「友達」
二人とも何故かその先へ進めるのに進まない。この関係が心地よかった。
「結婚前提でお付き合いしてください」
勧められたお見合い相手に言われた時、「はい」と承諾した。
見合いで結婚を決めた私に女友達は聞く「どこで妥協したん?」
私には妥協はなかった。ただ真っ直ぐに私と結婚したいと言ってくれたから。
私を結婚したいほど「必要」と思ってくれたのだから上手くいくだろう。
友達に報告したら祝福してくれた。
少し二人の間に距離ができた。
婚約から始まる恋愛。
「結婚式を挙げる」という共同作業
そして「今」に至る。
友達とは友達としていい関係でいる。
あの頃のあの言葉の意味は聞いていない。
自惚れた小話
#「迷い」と「決断」
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