おふくろさん〜膝痛3〜
「おふくろさん」というと母親を意味する。
しかし関節にも「おふくろさん」があります。「関節包」といいます。
関節包は関節には欠かせないものです。
関節を守っています。
骨と骨が直接擦りあっていたらどうでしょうか?
痛そうですよね。
骨と骨とが擦り合うところには軟骨があり、骨同士が直接擦り合わないようにできています。
軟骨には神経、血管が通っていないから痛みは感じない。
何で痛いの?
軟骨に栄養が行き渡らなかったり加齢、ケガなどで軟骨がギザギザになってしまう。
そのギザギザが膝の内側組織を傷付けて炎症をおこすのです。
何度も言いますが、軟骨だって擦り合うと消耗してまいます。
軟骨を守るのが滑液。この滑液を作るのが滑膜で滑膜の外側にあるのが関節包です。
滑液は軟骨に栄養を与え、軟骨が滑らかに動けるように潤しています。関節包の中は滑液で充たされています。
「ヒアルロン酸を膝に注入する」膝痛さんが
よくお受けになるこの方法はヒアルロン酸は滑液とよく似た成分なのでヒアルロン酸を入れて滑液の代わりをしてもらうのですね。
でもこの注射、ものすご〜〜〜く痛いです。
子供なら100%泣いちゃいますね。
また関節包の中は当たり前ですが「無菌状態」そこに注射針で穴を開けるのだから、細菌が入ってくる可能性が高まる。
だから、この注射を打ったかたは24時間はお風呂に入れません。
針の穴が塞ぐまで、お風呂に入れないのです。どんなに「うちのお風呂はピカピカよ!」といっても菌はいるのです。健康であれば無害な菌も、免疫力が下がると菌に負けてしまう。それと同じ。
逆に「膝の水を抜く」と言うこともあります。これは関節包内に炎症が起こって炎症を治すために滑液が大量に作られたため。
やけどの水ぶくれを思い出してください。
プクーとあのグロテスクな水ぶくれ。あれは潰してはいけない。皮膚を作り直しているのです。水ぶくれを潰すと跡が残ってしまうのは「水」がなくなり、材料不足で中途半端に治してしまったから。
私のお奨めしているやけどの治しかたは患部にワセリン(オロナイン)などをとっても分厚く塗ってその上からガーゼで覆うこと。
外気に患部をさらさないのがポイントです。
跡がほとんど残らず治りますよ。
話を戻そう。滑液は軟骨に栄養を与えるだけでなく炎症を起こしたときも修復する働きを持っています。
だからむやみやたらと膝の水は抜いてほしくない。水を抜いたところで根本的な炎症は治ったわけではない。滑液がいっぱいで関節包が膨張して動きにくいのです。痛みは炎症の痛み。
原因は関節包内の炎症。だから水を抜いて楽になったところで動き回ると、根本的に炎症は治っていないから体は治そうとして滑液を大量に作る。水を抜く人が繰り返し水を抜くカラクリわかりましたか?
もちろん無菌状態の関節包にこちらも注射針で穴を開けるので、細菌が侵入しやすくなる。炎症してるは細菌が入ってくるはとなると踏んだり蹴ったりです。
膝は歩くために必要な関節です。膝の「おふくろさん」を大切にあつかってください
膝痛ケアについては次回に
#膝痛#膝に水がたまる#膝の水を抜く