煌めく日
バルセロナオリンピックで名言が生まれた
「生まれてきた中で一番幸せです」
まだ(生まれて)14年ですやん!と大人はツッコミをいれたがオリンピックという大舞台で金メダルをとった岩崎恭子さんはこの日のために日々鍛練されてきたんだと思う。
だから生まれた名言なんだろうと今、我が子をみて理解する。
人生初の高校受験。将来の夢を持つ子には人生最初の「壁」だ。絶壁を見上げ一生懸命登っていく。
どこに手を伸ばすか?
どこに足をかけるのか?
紆余曲折しながら自分の体1つで登っていく。
子にとって親は命綱のようなものだ。
落ちそうになったら、支える。背中をおす
引き上げてくれるのは先生方だ
そこが掴みやすいよ
ここに足を引っかけなよ
このルートでいかないか?
我が子は夢のため険しいルートを選択した。
親は子の気持ちを選択した。自分で決めたなら悔いはないだろう。しかしそれは子に逃げ場ない状態である事を入試前夜の子の涙に知る。
今まで頑張ってきたでしょ。自分を信じて目の前の問題にひとつひとつ丁寧に向かうしかないよ。心落ち着かせてね
そう言い聞かせてながら、夜泣きする赤ちゃんを寝かしつけるようにやさしくやさしくローリングする。
試験という厚い雲の中を必死に岩にくらいついで登っていく。厚い雲のうえは蒼天だった。
努力を祝ってくれるように報道陣がいた。
合格掲示板の幕があき、自分の受験番号を見つけた。
コロナのご時世だか、必然的に大きな声が出てしまう。そして大粒の涙もあふれでてくる。
報道陣に取材され、報道され、少しだけ我が子のまわりでもてはやされる。ご褒美の服を買い、入学準備の買い物をする。ご褒美のごちそう。友人、知人からの称賛の声、そして本人の最高の笑顔。
長い人生の中で何回あるかわからない「煌めく日」こんな日が少しでも多くある事を密かに願う。